東海地方の食虫植物
東海地方には多数の食虫植物が自生しています。
特にヒメミミカキグサという食虫植物は、シラタマホシクサなどの周伊勢湾要素植物又は東海丘陵要素植物呼ばれる愛知県・三重県・静岡県などに限られた分布をする植物群に属し非常に貴重なものです。
東海地方の食虫植物で、当会々員が確認した種類を掲載します。
モウセンゴケの仲間(Drosera)
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モウセンゴケ(D.rotundifolia)
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東海地方全域に分布しています。
分布域が広く適応性が高い筈なのですが栽培下では結構難しいドロセラで、初夏に白い花を付け、冬季は冬芽を作り休眠します。
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コモウセンゴケ(D.spatulata)
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東海地方全域に分布しています。
栽培の容易なドロセラで、初夏に紅い花を付け、休眠せず冬越しをします。
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トウカイコモウセンゴケ(D.tokaiensis)
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東海の名を冠するモウセンゴケの仲間です。
静岡県以西に分布し、近年分類が見直され新種となったものです。
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イシモチソウ(D.peltata)
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東海地方全域に分布しています。
地下部に球根を持つドロセラです。生育期間が短く春から初夏以外は球根で休眠します。
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ナガバノイシモチソウ(D.indica)
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日本産の食虫植物で最も大型になります。
愛知県には赤花・白花が自生しておりますが他の地域は白花ばかりです。
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ムシトリスミレ(Pinguicula)
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ムシトリスミレ(P.macroseras)
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その名の通り、スミレに似た薄紫の花を咲かせます。
自生地は主に中部地方以北の山岳地帯ですが、何故か高知と徳島県境の石立山にぽつんと隔絶分布している
ことが確認されていました。
先年、この不連続な分布を埋める自生地が三重県で発見されて食虫植物の世界ではニュースとなりました。
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ミミカキグサ(陸生Utricularia)の仲間
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ミミカキグサ(U.bifida)
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黄色の花が咲き、花後に耳かき状の果実を付けます。
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ムラサキミミカキグサ(U.uliginosa)
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紫色の花が咲き、花後に耳かき状の果実を付けます。
白花品種、シロバナミミカキグサ(U.uliginosa f.albida)があります。
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ホザキノミミカキグサ(U.caerulea)
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紅紫色の花が咲き、花後に球形の果実を付けます。
白花個体も有るそうです。
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ヒメミミカキグサ(U.minutissima)
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三重県金生水湿地で始めて発見された、花・蕾1mm&花茎5mmの超小型のミミカキグサです。
日本では東海地方にのみ産します。
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タヌキモ(水棲生Utricularia)の仲間
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イヌタヌキモ(U.australis form tenuicaulis)
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タヌキモの生育形態変化種と考えられていましたが、
近年の研究ではタヌキモの方がイヌタヌキモとオオタヌキモの雑種であるとの事。
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以下、タヌキモ類は確認写真が撮れ次第、掲載します。
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番外 東海地方のインベーダー(侵略種)
残念ながら東海地方には自然移入したとは到底思えない食虫植物も自生しています。
これらほぼ人為的に移植されたインベーダー(侵略種)で、既存種の凌駕する繁殖力を持つことが多く、既存種を絶滅に追いやる事も充分に考えられます。
発見次第出来るだけ駆除するようにしていますが、すでに手の施しようもない場所も多々あり、深刻な問題となっています。
東海地方で当会々員が確認したインベーダー(侵略種)を掲載します。
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エフクレタヌキモ(Utricularia rajiarta)
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北米産。繁殖力が強く根絶は難しい。 葉の柄が膨れていて浮袋になるのが和名の由来。
一九九一年、故・北村四郎京都大名誉教授が静岡県内での帰化を学術誌に報告、命名した。
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P.プリムリフロラ(P.primuriflora)
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北米産。繁殖力が強く根絶は難しい。
日本産ムシトリスミレとは生活圏を別にするが、モウセンゴケ類の生育場所を奪っている。
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